August 01, 2005

思い出のビッグホーン山脈

私は本当に田舎が大好きな者です。自分の故郷は5,000人しかいない、気候がほとんど砂漠の中の田舎のワイオミング州です。故郷は山に囲まれていて、小さいころの私は夏休みはcamping(キャンプ生活)やfly-fishing (フライフィッシング)で頭いっぱいでした。



本題に入る前に少し、説明したいことがあります。ワイオミング州の小中学校が夏休みに入るということは、一年間の学校生活が終わるということになります。秋に再び学校が始まると生徒は進級・進学し、新学校生活が始まるわけです。ですから「summer vacation (夏休み)」は生徒にとって非常に意味のある、思い出がたくさん作られる3ヶ月間(6月~9月)です。夏休みは短いうえに宿題もある日本の生徒はかわいそうですね。




本題に戻ります。実家から約1時間離れたところにThe Big Horns (ビッグホーン山脈) があります。小学生だった頃、私にとって夏の「weekend(週末)」は「going to the mountain(山へ行く)」と同じ意味でした。金曜日夜5時半から、必ず家族4人とミニチュアシュナウザー(犬)1匹が車に乗って、その山へキャンプをしに行っていました。時々私たち子供は、友だちも連れて行きました。たまに三連休などがある時、祖父母や家族の友だちなどと大勢山に遊びに行くこともありました。



ビッグホーン山脈のふもとに川沿いのキャンプ場がありましたが、父の知り合いは家畜農家協会の一員で、その協会が共有している山奥の土地でのキャンプを許可されていました。そこで巨大なaspen(白樺)、pine(松ノ木)、sage brush(西部に多いヨモギ)のなかで、よく犬と一緒に探検しました。今でも新鮮な思い出です。そこで祖父と一緒に作ったアイスクリームや、自分たちで釣ったマスを芋とたまねぎと一緒にでっかいフライパンで炒めて食べましたが、山で食べたものはなぜか何倍も美味しかったです。



キャンプしていた場所はまた面白いですよ。かつて畜産農家が夏の間遊牧用として使っていた場所で、ボロな馬小屋と年中置きっぱなしのアルミ張りキャンピングトレーラーがありました。ポンプ付きの井戸もありましたが、5分間くらい動かさないと水は出てこないし、飲料水として使えませんでした。



そこで私は自然を愛することを学びました。また、自分で物を作ることや、ものを大切にすることなど、数多く学びました。自分が山に持って入ったゴミは自分で持ち帰ること。水を大切にすること。静かに観察すること。耳を澄ましてよく聴くこと。自然は愛するものであり、恐れるものでもあること。そしてなによりも遊ぶこと。



私は本当に田舎が大好きな者です。ニューヨークやロスのような大都会に生まれていたら、きっとバスケットボールや何らかの少年団に専念していたでしょう。夏休みにスポーツやテレビゲーム夢中な子にならなかった理由は、家族の「山へ行く」習慣があったからだと思います。