December 01, 2005

米国報告―黄色い煉瓦の道端には

Report from America - What lies on the side of the yellow brick road?

ドライブが好きですか?新しい景色を目にすることが好きなのは私だけではないと思います。車窓の外から展望する柔らかな緑と茶色の交互の田園風景だったり、柿色に光って見える街灯がともる町の風景だったり。私は都会も好きですが、どちらかというと田舎が好きですね。 最近、自分の田舎でドライブを楽しむことが出来ました。最初は緊張して、町に入ったとき、角を曲がると反対車線に入ってしまうのではないかと心配していたが杞憂でした。

再び故郷に帰ったときは、「いつから景色がこんなに素晴らしくなったのか」と感動しました。今は日本という外国に住んでいる私だからこそ、あちこちに新しい景色や物事を探索しに走り回りますが、自分が25年間住んでいたWyomingを探検しようという気持ちはありませんでした。いつも同じところばかりに遊びに行きました。 今回の帰省では、特に新しい目で見慣れた筈の風景を見たことがなかったかのように新しく、美しく見れました。 「Wyomingの秋はこんなきれいだったっけ」と銀杏のように黄葉していたcotton woodの木を眺めました。もちろん、たった5年間離れていた短い期間に木が大きく成長し、Big Horn川を、黄金色の川にしたわけではなく、昔からもとても輝かしい黄色をしていたはずです。気がつかなかっただけです。秋のBig Horn川はオズの魔法使いの黄色い煉瓦の道みたい。ということはどこへ導いてくれるかな。自分の足は十勝管内のどこへ導いてくれるでしょう。どんな発見が待っているでしょう。

Adopt-A-Highway road sign 道と言えばWyomingの道路はきれいです。 アメリカでAdopt-A-Highwayというプログラムがあります。このアダプト・プログラムは、1985年にテキサス州で始まりました。ちなみにadoptという英語は「養子にする」という意味です。このプログラムでは組織や個人のボランティアグループが一区間の道路を養子にし、清掃します。 ボランティアはその一区間(大体3Kから5Kの距離)を2年間担当し、年に4回ゴミを拾う約束をします。代わりに州が道路標識をたて、清掃している団体の名前が載ります。道路を養子にして清掃することにより、税金を節約し、道路をきれいに保ち、住民が有益な地域事業に関与することができます。標識をたてることによりその活動が評価され、自分たちの誇りになります。「この3マイルの区間はHelping Hands Clubにより養子にされ、清掃されています」という道路標識の写真を撮ってきました。このような標識のある道路、ボランティアで清掃されている道路の方 が、委託業者が担当している標識のない道路よりきれいです。アダプトの標識を目にすると、ゴミを投げ捨てられなくなると考えられます。

日本でゴミ拾い活動は小学校、中学校や地域の町内会等の団体が行い、その活動が地域の新聞に取り上げられています。その地域の新聞を読んでいない人やドライバーは気にすることなく、空き缶など、弁当容器の入ったコンビニ袋を窓からや、道路の休憩場所で捨てている気がします。日本では「ポイ捨て禁止」や「ゴミを投げるな」のような標識がありますが、今まで一番印象の強い標識は「ゴミを投げないでありがとうねー○○幼稚園」のような標識でした。